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BtoB(企業間)決済は、代行サービスで簡略化しよう

決済代行サービス

決済方法の複雑化に加えて働き方改革などの追い風を受け、BtoB(企業間)取引においても決済代行サービスを活用する企業が増えています。企業間取引における決済代行サービスとはどのようなものでしょうか。メリットに加え、業種ごとに活用事例を紹介します。

BtoB(企業間)決済代行サービスとは

決済代行サービスとは、「決済方法が異なる多数の決済を、1つの契約・1つのシステム・1回の手続きで完結する」法人向けサービスで、収納代行・集金代行とも呼ばれています。掛払いの場合、A社は月末締め15日払い、B社は月末締め翌月末払い、C社は20日締めなど、企業により締め日や入金日が異なります。また、A社は請求書を発行して銀行振込で入金、B社はクレジット決済など、入金方法が異なる場合もあります。取引先が増えれば増えるほど、決済にまつわる事務作業が増え、煩雑になるのは当然のことです。

決済代行サービスの主な業務には、決済代行・請求書発行代行・売掛代行があります。例えば決済代行では、クレジットカード決済を導入している企業に対し、クレジットカード会社の審査や入金・回収管理などの業務を提供します。請求書発行代行では、取引先へ提出する請求書の発行を代行します。売掛代行は、請求業務も含めた与信管理から代金の回収までを、まとめて代行するサービスです。近年、企業間の取引において決済代行サービスを利用して業務を効率化する企業が増えています。また最近ではクラウド型企業間決済サービスも人気を集めています。

BtoB(企業間)決済代行サービスのメリット

決済代行サービスの利用は、リスク回避や負担軽減など、様々な面でメリットがあります。
具体的には以下のような点があります。

経理業務の負担を減らし効率化する

決済・請求書発行・売掛処理のいずれにおいても、取引先が増えるほど経理担当の業務量が増加することはどの企業でも同じです。業務量の増加は、そのまま人件費の増加につながります。サービスを利用することで、こういった間接業務を減らし、経理担当の負担を減らすことで、人件費を抑えることができます。

経理業務における人的ミスを回避する

経理担当は、取引先ごとに異なる入金日・異なる決済方法をすべて把握し、細かい数字を間違えずに入力するのはもちろん、B2B取引ではよくある、営業対応も漏れなく反映しなければなりません。作業自体は単純であるものの、正確な情報収集に時間を要する上、細かい入力作業は思っている以上に負荷が大きいものです。取引先が増えて経理業務が複雑化するほど、操作ミスや勘違い、情報伝達漏れなど人的なミスが発生するのはやむを得ません。サービスを利用することで、このような人間の判断や操作に起因するミスが回避できます。

精神的な負担が減る

経理業務における一桁の入力ミスが企業全体の経営判断に影響するため、経理担当者の心理的負担は計り知れません。サービスを活用することで、経理担当者は細かい入力作業から解放され、本来の付加価値の高い作業に集中することができます。

代金未回収のリスクがない

企業間取引において、貸し倒れ(焦げ付き)のリスクはつきものです。入金保証をしているサービスでは、取引先の廃業や、経営が悪化して未入金となった場合でも、期日通りに売掛代金が支払われます。
どの業種にも当てはまるメリットは以上のようなことですが、次に、具体的な業種別にメリットを考えていきましょう。

BtoB(企業間)決済代行サービスの具体的な活用事例

取引内容や決済業務は業種ごとに異なります。ここでは決済代行サービスを活用した具体的な事例を、業種別に3パターン紹介します。

法人向けにWEBサービスや業務ツールを提供している場合

法人向けにWEBサービスや業務ツールを提供している企業では、次のような課題を抱えていることがあります。
  • 取引社数や取引回数の増加に伴い決済方法が多様化し、請求処理が煩雑になる
  • 未払いなどに対する取り立てなど、回収業務が精神的な苦痛となる
このような企業では、次のようなメリットがあります。
WEBサービスを提供している企業の場合、自社としてはクレジットカードによる決済が効率的でも、法人間取引では大手企業を中心に銀行振込での決済を希望されるケースがまだ多いのが実状です。取引先の希望に応え、決済手段を取引先ごとに変えたとしても、決済代行サービスにより一括で処理でき、経理業務全体が効率化します。

取引ごとの金額が少額な商材を扱う場合、請求処理の回数が多くなるため、未払いが発生するリスクが上がる傾向があります。決済代行サービスを利用すると、未払い代金の回収業務をする必要がなくなるため、営業や経理担当はストレスのかかる”取り立て”という業務による精神的な苦痛から解放されます。

EC・通販サイトを運営している場合

EC・通販サイトを運営している企業では、次のような課題を抱えていることがあります。
  • 未払いリスクへの懸念で、新規顧客や取引額が少ないなど顧客の信用度が低い場合、引き合いがあっても断らざるをえない
  • 細かい請求業務に担当者が疲弊し、苦痛を感じている
このような企業でサービスを導入した場合、次のようなメリットがあります。
通常、事業規模に比例して取引先と請求業務の数・量が増加していきます。内容・量ともに増えて煩雑化する請求業務を一括で代行し、経理担当者の負担を減らせます。
また、新規顧客など、まだ信用のない顧客から引き合いはあるものの、実取引に躊躇し、有望顧客を取りこぼすことがあります。決済代行サービスが入金を保証するため、信用度の低い見込み顧客との商談も躊躇なく進めることができます。

アパレル・オフィス機器・美容商材などの卸売企業の場合

アパレル・オフィス機器・美容関連など、中小・零細・個人企業へ卸売を行う企業では、次のような課題を抱えていることがあります。
  • 掛売りの書類の準備に工数がかかる
  • 与信などの審査基準を満たせず取引につながらないことがある
  • 決済業務に工数がかかっている
このような企業でサービスを導入した場合、次のようなメリットがあります。
決済代行サービスを活用することで、与信調査を正確かつ最短数秒で終えることができます。また、作業負荷のかかっていた取引前の信用調査や売掛に関する資料作成は、決済代行サービスが行うため、商談のスピードがアップし、経理や営業担当者の業務が効率化します。

決済代行サービスの中には、顧客が後払いをしても、商品代金の立替え払いを行ってくれるものもあります。企業は顧客に対して、未回収リスクを回避しながら後払いオプションを付加することもできるのです。

まとめ

BtoB(企業間)の決済方法の選択肢はますます増え、経理業務も複雑化しています。企業規模の大小を問わず、こういった決済代行サービスを積極的に活用して業務を効率化するべき時が近づいています。また、大切なのは効率化できた労力や時間などのリソースを、いかにビジネスに振り分けていくか、ということです。効率化の先にある企業のあるべき姿に一歩近づくことができるのが、決済代行サービスともいえるでしょう。